SENDAI ACTING LAB


仙台アクティングラボではハリウッドや海外で活躍する俳優が用いている演技法をベースとしたリアリティのある演技を指導しています。


マイズナーテクニックのレペテーションを使った「見る」「聞く」「話す」という日本の俳優が最も苦手とする分野の訓練からスタートします。


感情は作るのものではない

ストラスバーグ・テクニック(メソッド・アクティング)の「効果のある記憶」を使い感情を作るのではなく、「与えられた状況」を信じることで感情は湧き上がるというアプローチをしていきます。

又、相手と交流(レぺテーション)していく中で生まれる感情に嘘をつかないことを大切にしています。


※設定を信じるためにはどうするのか?についても訓練していきます。

又、シーンには「感情的になっていなければ」成立しないシーンも多く存在します。

その場合もアクティングラボでは「効果のある記憶」=「過去」を使うのではなく〖未来〗=〖想像力〗を駆使して五感を使って感情を準備する訓練をしていきます。


演技とは行動すること

セリフを覚えて「それっぽくしゃべる」ことが演技だと勘違いしている俳優も多く存在しますが、アクティングラボでは〖演技とは行動すること〗というマイズナーの考えに基づいて指導を行っています。

その為に必要なプレパレーション(準備)についてもインディペンデント・アクティビティなどメニューを組んでいます。


イメージで演技しない

レッスンが進んでくると各自シーン稽古をすることになります。

シーン稽古の中では「前提状況」「目的」「言いたい一言」「サブテキスト」「感情の準備」等、演じるに必要な様々な要素を学び、訓練しながら本番同様の稽古を進めていくのですが「大きな罠に嵌ってしまい」うまくいかなくなる時があります‥‥私も俳優時代にみなさん同様、罠に嵌った経験があります。

今俳優として活動している中で行き詰まりを感じている方にも共通する部分があるかもしれません。

それが「イメージで演じてしまう」ということです。

「感情の準備をする」といった時に、〖どこの感情〗の準備をするのでしょうか?

充分な訓練を受けていない多くの役者さんはシーンのメイン(我々でいう)〖言いたい一言〗の部分で感情の準備をしてしまいます。

こういう言い方で、こういう感情で、相手にこう言うだろうというイメージで演じることで〖自由さを奪ってしまう〗という罠に嵌ります。

あたかも水の流れのない濁り淀んだ沼のように、シーンの新鮮さは失われて即興性もなく、段取りを繰り返すだけの退屈な演技になっていきます。

俳優とは芸術家であると私は思っています。

A「芸術家が独創的だと言われているのは、どういう意味だ?」

B「自分の中から作品を作るという意味です」

A「どういう意味だ。自分の中から作品を作るというのは?」

B「衝動的に自分を表現すること。何をやってるか考えないこと。自意識にとらわれて自分を見ないこと。」

A「衝動的に自分を表現するというのは、どのような基準に従っているんだ。」

B「自分に対して真実であるという基準です」

演技するとは嘘をつくこと、思ってもいないのにそう思っているように見せること、そう思っている役者さん、役者志望の人が多いかもしれませんが、それは違います。

アクティングラボが掲げている

〖リアリティのある演技〗とは「演じている俳優が設定、セリフ、行動、目的にリアリティを持つことでそれが観ている人にも”そこで起こっていることは真実だ”と感じてもらう」ことです。

脚本にある架空の設定、架空の物語の中で真実に生きるというのが演技であり、俳優であると考えています。



三つの基準

舞台や映画の稽古(リハーサル)の時、レッスン内でのシーン稽古、シーンを観てコーチする際に《主に》三つの基準を置いて指導しています。

脚本のシーンの中で〖なぜここにいるのか?〗〖何をするためにここにいるのか?〗等の、役の行動や設定を《正当化できているか?》=《信じらているか?》ということをまず基準にして見ています。


〖相手と交流(レペテーション)できているか?〗

交流(レペテーション)ではなく、ただの反射になっていたり、セリフを段取りとして喋ってる等の状態に陥ってる時は一旦シーンを止めて最初からやり直しになることもあります。


演じている俳優が①と②の感覚がなくなっている(薄くなっている)障害があるかどうか?

私はシーンをなかなか止めることはありません。

何故なら、シーンの出だしが上手くいってないとしても相手と交流(レペテーション)していることで良くなっていく場合があること、又イメージ(思考回路)から外れることで思ってもいない瞬間が訪れる時があるからです。

ですが

明らかに「正当化」出来ていない

明らかに「レペテーション」出来ていない

ように見える場合には「それらが出来ない状態になっている原因」を探り、障害が取り除けるよう都度わかりやすくアドバイスすることを心掛けています。


大切にしてほしいこと

ここまでレッスンの内容や学べる技術についてざっくりと説明してきましたが、一番大切で皆さんに忘れてほしくないことを最後にお伝えします。

役(演技)を通して何を表現したいと思うのか?

脚本(戯曲)を通じて何を伝えたいのか?

何を表現し伝えたくて俳優になろうと思ったのか?


私が教えているのはある意味、技術やルールです。

スポーツにおいてもそれぞれのスポーツにルールやレギュレーションがあるように、演技にもそれは存在していると考えています

野球ならバットの長さやグローブの大きさなどが決められていて、バットの握り方や振り方、ボールの捕り方やグローブ捌き‥‥打ったら一塁に走るやスリーアウトで攻守が入れ替わる等‥‥それらと同じことです。

そのルールの中で道具(技術)を使うのは皆さん自身です。

足の早い選手、肩が強い選手‥‥それぞれの個性に応じて選手達は試行錯誤して自己を表現していきます。

レペテーションが出来ればそれでいい

正当化出来ているんだからそれでいい

ではなく、それらの素晴らしい技術や演技法を学び訓練し、あなたは何を表現するのか?

何故演技を学ぼうとしたのか?


これまで芸能プロダクションの新人レッスンや演劇ワークショップを含め、約200人近くの方に演技指導をしてきましたが、たくさんの俳優、たくさんの俳優志望の方々と接する中で〖それが〗皆さんが身につけていくであろう技術をより一層輝かせ、観客の心を揺さぶる演技に繋がると私は感じています。



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